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いい上司はコーチよりメンターを目指す

自分の力を引き出す方法があればそりゃ僕だって知りたい。でも会社の上司と定期的に面談はするけど、力を引き出してくれるというよりただ叱られているだけな気持ちになるよ。
それに悩みを相談する友人や家族はいるけど、それはコーチとは違うような気もするんだけど。
コーチャの話を聞いていると、会社でスポーツ選手のように社会人がコーチングを受けることができるわけではなさそうだよね。

ごもっとも。コーチングの考え方は多くの会社に広まってきているものの、まだまだコーチする側の数も質も追いついておりません。
会社がコーチングの考え方を取り入れることは大切、しかしただ傾聴を意識して会話するように指導すればいいものでもないのです。

社内ではまずコーチよりメンターを持つといい

最近では大手企業だけでなく中小企業でもコーチング手法を取り入れた1on1ミーティングが積極的に採用されるようになり、上司が部下の話を聴く場面がもたれています。

これはすごくいいことですね。

今は隣にいてもラインワークスやチャットで会話のやり取りを済ませてしまえるようになり、面倒なことや言いにくいことにおいて面と向かって話をする必要がなくなりました。

効率はいいし、時間的なロスがないなどのメリットがある反面、楽しく働くことにおいて、会社も社員も失っているものは大きい。

今改めて向き合って話し合う場、1on1ミーティングが取り入れられている理由にはそのようなロスに会社が危機感を感じているのも背景にもあります。

ただ、一度失われたコミュニケーション手段を戻すにはそのメリットをお互いに理解する必要があります。

会社側の狙いとしては個人面談の機会を使い、上司が部下の現状を聞き、仕事の課題点にについて上手にフィードバックし、部下を成長させるためのかかわりをしてもらいたいと言ったところでしょう。

しかしこの面談の場、部下にとっては苦痛の事情聴取の時間になっていることが多いのが現状です。

多くの上司が聞くふりをして自分の日頃の思いを伝えたいだけ、指導してやっている感をバンバンに態度に出してくる方もいます。

残念ながら1日、2日の講習で「傾聴力」は身に付くものではないので日頃からマウントをとりたがる上司はそうなりがちです。

特に日本人はまだまだ社会の中で個よりも集団の意識が強く残っています。

自分の部下となると、「もっとしっかりしてもらわないと困る」、「他人に迷惑をかけないようになってもらいたい」と言った気持ちが出やすいのではないかと思います。

そんな日本企業において私は上司との1on1ミーティングより、メンター制度とミックスしたメンターとの1on1ミーティングを普及させるのが良いのではないかと思います。

メンターとは日本語では「指導者・助言者」という意味になりますが、直感的な指導者とは少し違います。

前提としてメンターは直属の上司ではありません。なので直接仕事を振ることなどはありません。
メンターを取り入れたかかわりの目的は、対話を通じてメンティ(指導を受ける側)の自発的な行動や成長を促すことです。
メンターは単なる仕事の指導役としてではなく、むしろ精神面でのサポートをする役割

が期待されます。
直属の上司には言いづらい事について相談にのったり、メンティが置かれている状況や得意としているスキル、キャリアから働き方に合ったアドバイスをしていくことが重要なかかわりになります。

このメンターという役割を意識すれば相手に対して案外と傾聴力もって話を聞くことができ、またその対話を重ねることで傾聴力を鍛えることができると感じています。

メンターになった人は上司側としては聞きにくいことも他の部下の話なら興味を持って前のめりに聞いてしまう、反面教師で自分はそうなるまいと心で思いながらも他の部署のことだから優しくアドバイスできる。

部下としても直接的な指導ではないので結構素直に受け止めることができるようです。

事実私もそうでした。

前回会社を辞めたいと考えていた私が結果辞めずに止まることになったのも、実はそのタイミングで出会ったのがメンターというべき人だったからです。

たまたま隣部署の先輩が足を怪我してしまい車に乗れない事態となりました。そこで代理運転手として1ヶ月ほど一緒に行動することになったのです。

決して話し上手な先輩ではありませんでしたが、直属でもないので私も気兼ねなく話すことができ、特に心に刺さるような一言をもらったわけではありませんでしたが、客観的な返答をもらうことで自分の偏った思いや気持ちに気づくことができ、自分自身のモチベーションも取り戻すことができたのです。

 

意識の高い上司、情熱的な上司は「自分が部下を成長させて見せる!!」と気持ちが強くなりがちです。そして部下はそのかかわりについてこれず萎縮してしまう。

その連鎖がお互いの関係を悪化させている様子もいくつか見てきました。

決してどちらが悪いわけでもないのにそうなってしまうことは残念で仕方がないです。

なので上司はコーチになろうとするより前にメンターになろうと考えてはいかがでしょうか。

中小企業などは社員数が多いわけではありませんので直属しか存在しないこともあるでしょう。それでも気持ちをメンターとしているだけで結果は変わると思います。

また、社内で悩んでいる人もまずはメンター探しをしてみてはいかがでしょうか。

上司でも同僚でもなく、自分のメンターになってくれそうな人に声をかけ、メンターの存在を作ることができれば会社で楽しく働くことにグッと近づけると思います。

 

それではまた次のブログで続きはお話したいと思います。